キーワードは「納得感」
2015年4月から人事になり丸々4年が経過しようとしている。
日々起こる問題に対し、もぐらたたきをしながらも、本質的な解決策は何かを探し続けてきたつもりであるが、結局は「納得感」がすべてではないかと最近結論付けている。
ポジティブにもネガティブにも大きく振れるのは下記の3つだ。
①戦略(成果に対しての動き方)に対しての納得感
②評価に対しての納得感
③自分の目的に近づいている納得感
①の戦略に対しての納得感は、会社として個人として、成果を上げるためにどう動くべきかをロジカルに、かつなぜそれをやるのかの背景やパッションも伝えることでメンバーをモチベートすることができる。逆に、ここに納得感がないと「また同じこと言ってる」「上は現場をわかっていない」と心で毒づいているだろう。
あえていうと、結果が出る出ないの以前に、その動きに対して納得感があるかないかが重要なのである。ビジネスの世界なのでたいていは正解などない。重要なのは、チーム全体が納得して、それがベターな方法だと信じて、そして動き切ることだ。
納得感があるかどうかの基準はロジックだ。共通言語がある仲間でなく、内情を知らない外部の方にもその説明で納得してもらえるかで考えるとよい。往々にしてロジックがあるようでない戦略が、その組織(トップ)の当たり前という非ロジックでまかり通っているのである。
②の評価に対しての納得感は、労働の対価としての査定時に「不満」の形で現れることが多いが、私は評価と査定は連動させすぎないほうがよいと思っている。なぜなら、給料の上げ下げは会社全体の業績やその時の人事戦略など不確定要素が強いため、個人の評価と査定を厳密に連動させることは事実上難しいからだ。
それよりも、上司からの承認とともに評価を1か月に1回きちんと伝えること(良い点・課題点・改善点)、その際昇給の話は極力避けること、Uniposのような上司以外の承認がもらえる仕組みを作ることの3点を行い、メンバーの承認欲求に日々満たしていくことと、評価のすりあわせを意識的に行っていくことが重要である。この前提があるかないかで査定時の不平不満の度合いが大きく変わってくるからだ。
普段から認められていると感じている人と、そうでない人。査定時に不満がでるのはどちらか。たとえ昇給しても普段から認められていると感じていない人は、「なぜ給料が上がったのかわからない。基準を明確にしてほしい。」といった不満すらでるものだ。大事なのは、普段から承認欲求を満たすことと、普段から評価をすり合わせることで納得感を前もって醸成しておくことである。
ここで「承認欲求を満たす」という言葉に違和感を覚えた方は考え直しが必要かもしれない。承認欲求とは食欲と同じで満ちてはまた時間とともに減り、常に与え続けなければいけないものだと考えてほしい。
③の自分の目的に近づいている納得感は、メンバーそれぞれ大事にしている目的や価値観は何なのかを知りたいと思うところから始まる。人によっては、「成長感」かもしれないし、「ライフワークバランス」かもしれないし、「他人に誇れる会社に所属すること」かもしれない。また、同じ人でもその時のフェーズによって上位の価値観の変動はあるだろうし、いくつかの価値観が混在もしているだろう。
メンバーを持つ上司に求められるのは、メンバーを知ろうとすることと、それを示すこと、自分から決めつけるのではなく相手に問いかけること。いわゆる1on1やコーチングの領域にあたるものもあるが、シンプルにいうとメンバーに興味を抱き続け、それをきちんと伝えていくことなのだと思う。目的や価値観は絶対に否定してはいけないし、否定する権利もない。それは人それぞれが育んできた固有のものであるからだ。
そしてそれを知った(もしくは半分知ったかもしれないが)上で、その目的や価値観に対して近づいていることをフィードバックする。人は自分のことはだいたい分かっていない。他人からのフィードバックで少し客観的になれる。上司がメンバーがそれぞれの目的に対して近づいていることを具体的な事実を織り交ぜながら伝えていくことで、自身の目指しているところに近づいている納得感が積み重なっていくのである。
結局行動して気づきを得る
例えば本を読んですごく共感したことは、すぐに実際に試したい。
そうやっていろいろやってきた。
でも最近はすぐにやることをためらうようになった。
それは、すぐにそのまままっすぐ衝動的にやっても、あんまりうまくいかないなってことが多かったから。(でも、やったことの自己満足と、やったことで分かったことも結構あったな。)
で、最近はすぐに試さないでいるけど、人間の脳なんて1週間でほぼほぼ忘れてしまうから、結局なにも得られていない。
どうやればうまくいくか考えてからやればいいのか?
でも、根本構造を追求していけばいくほど、難しい課題となっていき、なかなか手が付けられなくなっていく。
ああ。そうか。
すぐに仕事(メインミッション)に結びつけるからダメなんだ。
個人で完結する仕事や小さめのミッションやプライベートで試してみればいいんだ。
そしたら気づきを得られるよね。って話。
何かやらなきゃ、気づきは得られない。と思う。
社会人18年目くらいでやっと気づいたこと
提案とは、正論をぶちまけて、自分の正しさを証明することではない。
決定権限のある人が今何を求めているのか、その価値判断軸は日々変わるもの。
今日はまったものが、明日は違うかもしれない。
それは当然のこと。だって今日と明日で悩み事が違うから。
今何を重視しているか、目的次第で判断が為される。
だから、正論をぶちまけても全く通用しないのは当然のこと。
これが分かるまでに、だいぶ時間を費やしてしまった。。
大事なのは、相手の目的や興味を推理すること。
その上で、その解決策として提案を提示すること。
最近ドキっとしたこと
ドキッとしたことの話。
最近よくあるのが、
「この会社にずっといるわけじゃない」とメンバーからさらっと言われること。
(別に悪気があって言ってるわけじゃない。将来のこととか話してるときに、「この会社にずっといるとは限らないじゃないですかー」みたいな感じ。)
一応、私は人事部長。
だから、そんなことを面と向かって言われると、ドキッとしてしまうのだけど、それが今の普通の感覚なんだよなってことに気づかされる。
ずっと一つの会社で働くという人は少なくなっている。世の中を見まわしても、採用業務に関わる身としても、それはヒシヒシと感じている。
でも、いざ自社のこととなると、さらっと言われたときに、ドキっとしてしまう。
これって、いわゆる無意識のギャップ?
ここは言語化しておいたほうがいい。
長く在籍してたり、経営に近い立場になったりすると、
新しいメンバーより会社にロイヤリティ(忠誠心)を感じることが多々あるだろう。
※エンゲージメントではなく、ロイヤリティ。
そのロイヤリティの積み重ねによって、いつしか主語が「会社」になっていたり、
無条件に「まずは会社のために」という思考になってしまっているのかも。
それは自分と会社の成長がリンクしているとどこかで感じられている状態なのかもしれない。
そんなベースがあるから、
「この会社にずっといるわけじゃない」とメンバーから言われると
ドキっとしてしまうのかな。正直ちょっと寂しさを覚えてしまった。
でも、新しいメンバーからすると、自分自身の目的やメリットが出発点であることが自明の理で、逆にいうとそれが満たされているところに身を置くわけで。
そういう当たり前の気持ちを差し置いて、勝手に自分の感覚で「ちょっと寂しいな」なんて思ってしまうのは結構やばいギャップの始まりである。
そのあたりの感覚をうまく修正していかないと。
なにかの本で読んだことだが、
半期単位での評価→リアルタイムでの評価(都度褒められたほうが嬉しい)
会社起点の価値観→個人起点の価値観
プロセス重視→強み重視
競争促進→コラボレーション促進
上記のようなアジャストが今の時流のポイントだと(やっと)判った感じである。
個人の価値観、強味、それらのコラボを重視し、一定期間貯めてからの評価ではなく、都度細かく活躍を取り上げて承認していくこと。
なるほどなと思う。
チームにとって、無意識の価値観ギャップほど怖いことはない。
気づかせてもらってありがとうと真摯に受け止めて、「今」にアジャストしていかねばならない。
助っ人採用
助っ人採用(副業採用)を2月から始めています。現段階ではすごく感触が良いです。
結論、オススメです。理由は2つあります。
1.助っ人採用はコストに対してのクオリティが非常に高い
・自分の専門スキルで助っ人したいと思っている方=非常にデキる方が多い
・この2ヶ月、特にコストをかけずにHP経由&リファラルで通常キャリア採用の約10倍の助っ人応募実績
・たとえ今々は受け入れる枠がなくても、タレントプールにぴったり
2.思い切った採用ができる
・フルタイムではない/主に有期/入社フィーがかからないので、年収高めのハイクオリティ層でも思い切って採用できる
・助っ人する側/される側というある意味対当の関係なので、お互いの求めているイメージが違うようならお互いに契約を見直しできる
・絶対必要というわけではない、でもできれば欲しいな的ポジションにもチャレンジ採用できる
逆に、今感じている課題としては、
・助っ人に何をして欲しいのかを明確にすること
・助っ人に期待する成果を明確にすること
「やっていくうちにすりあわせて」のようにしていくと、フルタイムと違いなかなか擦り合わされないまま時間がすぐに過ぎてしまいお互いのテンションが落ちてしまうことがあるので、上記をはじめの段階で明確にすることで助っ人稼働をより効果的にしていけると思います。
4月からもさらに多くの助っ人がバズに加入してきます。非常に楽しみです!
引き続き、サイバー・バズでは全職種で助っ人募集中です!!
コンセンサスMTG
経営陣の発する言葉をマネジメントレイヤーが正確に理解すると、会社がどこに向かおうとしているのか、自分に求められていることは何かがより明確になります。
たとえば「一体感」という言葉にしても、社長が考える「一体感」とは具体的にどういうことなのか?なぜそれを大事なのか?どうすれば実現できるのか、というところまで視野を高くもっていくと、方向性のズレは確実に減ります。
そのように、経営陣の視座を知り、視点を高めるマネジメント育成の一貫として、10月から今日まで2ヶ月連続で毎週30分、社長とマネージャーによる「コンセンサスMTG」を実施しました。
毎回、
「バズのマネージャーとして大事にしていることは?」
「自分の仕事にとってのクオリティって具体的にどんなこと?」
「自分のグループの強みは?一番の課題は?」
といった概念お題を事前に出し、用意してきた自分の答えを発表してもらい、それに対して社長がコメント、コンセンサスを形成していく流れで行いました。
(この形式については、曽山さんからアドバイス頂きました。改めてありがとうございます。)
本日、最終お題として「この2ヶ月で社長とすりあわさったこと」を発表してもらいましたが、
「マーケット視点でトップクオリティを取りにいくこと」
「現状の枠組みの中で考えずに、あえて逆張りや枠を外した思考をする」
「課題に対しての深掘り。原因の原因を探る」
など、2ヶ月前からの成長を各自が実感できる経験になったのではと感じました。
来期もマネージャー育成の年間計画に入れ、よりブラッシュアップさせていきたいと思います。
教えることを任せる。
人間は誰しもが成長したい、かつ他人の成長を手助けしたいと思っている。
学習する組織はその点を理解している。
教わるだけでなく、教えることも任せている。
「WORK RULES」より
優秀なメンバーに他のメンバーのトレーニングをしてもらう。そうすることによって、教える方も学びや意味報酬を得るし、教わる方も一般論ではないより実態に即した学びを得て成長する。
なんだか文章にすると、ただそれだけのことなのですが、これが出来ている組織はやはり強いです。
教えるという行為は、自分の考えを整理し、より深く理解するための最良の手段。
だから「教えること」について、安直に外部の方に依頼したり、社内の特定のメンバーだけに限定せずに、多くのメンバーに関与してもらいたいと思っています。
新卒プランナーたちの要望で10月から始まった、「しゃがむな!新卒バズカレッジ!」は、管理職ではない先輩プランナーが自分の得意ノウハウについて15分程度で彼らに伝授していく場ですが、実はアウトプットしている先輩プランナーの方も教えることを通じ自分の強みを整理することで次の成長へのステップになると思っています。
本当にあたりまえのことなのですが、意識してやるとより効果的になります。意識して、教えることも任せていきます。