ベンチャーHR

とあるベンチャー人事責任者のブログ

目標管理&振り返りシステム『TEGRAT』

さあ、月初です!ゴールデンウイークど真ん中ですが、月初です!

前月の振り返り、その上での今月の目標設定はばっちりできていますか?

サイバー・バズでは、それら振り返り・目標設定のために、TEGRAT(テグラット)という社内システムを運用しています。

 

 

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そもそも

このシステムは昨年5月にうちのエンジニアに内製してもらって運用しているのですが、名前の由来を説明しますと、「TARGET」(目標)から逆算して考えようということで、反対から読んだTEGRATとしています。これは当時新卒入社1カ月目だった現シニアエンジニアの佐々木君考案のネーミングです。

 

TEGRATの目的

目的は、目標設定を正しく行うことと、自分自身の評価と上司からの評価をすり合わせることです。TEGRAT自体はその手段。(なので、記載事項はできるだけ最小限にするように考慮しています)

営業でもエンジニアでも経理でも人事でも、「組織の中で出すべき成果」を定義し、そこから半期や月の目標に落とし込んでいくことが重要です。この目標自体がチームの成果に結びついていないものだとどんなに頑張っても評価しにくい結果となってしまいます。

また、前月結果に対しての自己評価を記載する欄とともに、上司からのコメントをもらう欄があります。上司は原則このコメントを書いてから、月1回行うメンバーとの個人面談をすることで、評価のすり合わせを行っています。メンバーの不満のきっかけはこの評価のズレであることが多いと考えており、月イチで評価をすり合わせていくこの一連の流れは大変重要だと思っています。

 

やっていること

・半期目標設定/半期振り返り

・単月目標設定/単月振り返り

・それらをもとにした月イチ面談

半期目標では、「成果目標」の他に、「学習目標」も設けており、成長させたいスキル・習得したい知識は何で、具体的にどういう状態になっていればOKかが分かるように記載することとしています。

 

メンバーごとの振り返りを一元管理できる

excelデータ管理だとどうしてもデータがあっちゃこっちゃいってしまい、上司が変わるタイミングなどでメンバーの過去の振り返りシートデータがいきわたらなかったりしていました。システムならそういった課題を解決できます。また、全メンバーの半期目標設定などを一覧で出したいときなどはCSV機能をつけてもらったのでかなり楽です。

 

リマインド機能

月初に振り返りを入力していないメンバーには自動リマインドメールが飛び続けます。当然人事にも誰が未入力かのメールが来ますので、口頭でのリマインド喚起もしやすいです。こういう施策自体、運用がかなり重要なウェイトを占めますので、絶対にやりきるリマインド機能は必要不可欠かと。

 

最後に 

運用開始してちょうど1年たったTEGRATですが、1番大事なのは目的を理解してやってもらうこと。「なぜこれをやるのか?」についてはしつこいくらい伝えていきたいと思います。

 

 

逆フロー採用

17新卒採用から、サイバー・バズではいわゆる一般の面接順序とは逆転させた、『逆フロー採用』をしています。

 <逆フロー採用>

 ①バズ社長高村によるトップセミナー&1次面接

 ②人事部長(私)による2次面接

 ③現場マネージャーによる最終面接

 

始めた背景や目的は、以前社長の高村があげたブログにて。

ameblo.jp

 

この『逆フロー採用』をしてみて、今感じていることを記載します。

 

一番の効果は、採りたい人材を囲えること

面接経験が多数ある方なら感じられたことがあると思いますが、欲しい人は初めの数分でピン!ときます。逆に、やっぱり書類だけでは分からないんです。醸し出す雰囲気やオーラや人柄は直接会ってみないと。だから、バズで一番「採用眼力」のある社長の高村が最初に大量に学生に会う。そうすると、「採りたい人材」の母集団が形成される仕組みです。

 

意外と社長の工数はかかりません

30~50人程度の社長セミナーを60分やったあと、さらに60分程度時間をとり、グループ面接で一気にお会いします。終わったあとはへとへとになっていますが、社長が最終面接にとっていた時間を考えると時間の使い方がかなり有効だと感じます。

※セミナー参加人数多い場合は、人事部長(私)も1次面接を手伝い、2次で社長が面接します

 

「悩ましいから次回判断」が減った

1次は社長、2次は人事部長。決断するのが仕事ですので、「次回面接で判断」が減りました。そして最終面接はマネージャー。ここも内定か否かのジャッジをするのが役割なので、彼らも決断せざるを得ません。結果、面接効率が上がりました。

 

採用に関わる社員が納得する採用フローです

採用面接に関わってくれた社員から、「個人的にはすごく良かった学生だと思ったのに、人事や役員に落とされちゃったんですよね」みたいな会話、きっとどこでも少しはあると思いますが、今期はまだ一度も聞いていません。自分たちで決めたということについての納得感と責任感。ここが一番重要だと思います。

 

ということで、運用初年度ここまでとしては非常に効果的だと感じています。

もちろん同じことを続けていると効果は下がってきますので、絶えず改善や見直しをする必要がありますが、ベンチャー新卒採用には大変おススメできる手法です!

 

セミナーレポート② エウレカ・FiNC・リンクアンドモチベーション・メルカリ4社が語る!優秀・希少人材を採用する「採用力」とは?

セミナー議事録後篇。とても熱い話になりました。

※あくまで個人的解釈で記載しています

※具体的な数値や施策についての言及は抜いています

peatix.com

 

<後半登壇者>

株式会社リンクアンドモチベーション 麻野 耕司氏

株式会社FiNC 岡野 求氏

株式会社Lib 松本 洋介氏(ファシリテーター

 

 

トークテーマ:「採用力の強い組織・人材活躍組織を作る方法」

■採用の基本的な考え方について

・採用戦略(誰に、何を、どのように伝えるか)が何よりも大事

(ここは広告コミュニケーションと本当に似ているなと実感しました)

・「身の丈を超えた採用」ができるか。ベンチャーはそれに尽きる。

・うちに入社したい人ではなく、採りたい人を採用する

・会社は結局、人。今いる人材にあった会社ができていく。

 

■何を伝えるか?

・どこと競合していると見られたいか?ポジショニングをつくり発信し続ける

例)「ソーシャルゲームの会社」と打ち出せば、その中での競合と比較される

  「新規事業創出企業」と打ち出せば、そういった見られ方の中で比較される

・その昔、「電博」という言葉を作った博報堂の人はすごい。圧倒的に電通の方が売上高いのに、日本の総合代理店と言えばその2社と認識されている

 

■理念型経営がますます主流になっていく

・採用、入社の際に理念への共感を握れるか

・今いる社員に理念をさらに浸透させていくには?

 ①採用活動に参加してもらう 

 「採用は最良の組織活性化施策である」

 会社のことを語ることで自分と会社との重なりが大きくなる。

 ⇒採用活動の目的の半分は、組織活性化におくべき

 ②管理職登用は、人格(カルチャーマッチ)重視

 

■どんなカルチャーを創るべきか

・カルチャーは最適解。絶対解はない。会社ごとのビジネスモデルにあっているものかどうか

 

■大物採用について

・取引先の部長であろうと社長であろうと、常に狙っていく・声をかける姿勢

・大物ほど「うちにきてくれ」と声をかけられないもの。意外と嬉しいのでは。年収ダウンでも関係ない

・カルチャーフィットの不安は?大物は自分の価値観を通したりしない?

⇒本当にできる人はカルチャーの大事さが分かっている人。だから自らをアジャストして組織にフィットする。逆に中途半端な大物だとそこが分かっておらずプライドもあり難しい

 

FiNCさんの施策例

・行動規範に対する360度評価をしている

・バリューランチ  行動規範の一つについての具体的行動例や考え方を先輩から1on1で新入社員にランチで語る。新入社員はそれをレポートをFBグループに投稿する

・自分史投稿  入社1カ月以内を目安に、かなり詳しく書いた自分史をFBに投稿し、その人となり・バックグラウンド・考え方を発信してもらう

・Finc大学(月一度20~21時)  外部講師を活用した講演。ここに採用候補者を巻き込んで、そのあとの打ち上げ飲み会にも来てもらう。

・顧問の方を活用した合宿  顧問の方のこれまでやってきたことを話してもらう

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 リンモチの麻野さんのお話は本当に参考になりました。

ここでは紹介できない具体例なども話してくださり、本当に行った意味のあるセミナーでした。主催のLibの皆様、登壇者の方々、本当にありがとうございました。

 

セミナーレポート① エウレカ・FiNC・リンクアンドモチベーション・メルカリ4社が語る!優秀・希少人材を採用する「採用力」とは?

 

先週行ってきたこのセミナーが大変勉強になったので、2回に分けてブログで紹介。

※あくまで個人的解釈で記載しています

※具体的な数値や施策についての言及は抜いています

 

peatix.com

 

<前半登壇者>

株式会社メルカリ 石黒 卓弥氏

株式会社エウレカ 庄田 一郎氏

株式会社Lib 松本 洋介氏(ファシリテーター

 

トークテーマ:「採用ブランディング/採用広報」

■良い人材を集めるためには、採用広報発信力が超重要。

・採用したいターゲット層は何が興味あるのかを想像する

・その興味関心事項周辺をとにかく発信し続けている

・ネタはどうしてる? ⇒意外と社内に転がっているもの。いいとこ探し歩いている

 

インバウンド(取材):編集者にネタ候補を送ること

・前提、名刺交換した記者さんの一覧リスト(マイメディアリスト)を作ること

・リリースを単純にばらまくのではなく、リリースタイトルの下に「こういう記事の取り上げ方はどうですか」という案(切り口ネタ候補)を2~3案付け加える

⇒こうすることで取り上げてもらる確率が格段に上がる

・関係性ができている、かつネタ親和性の高い媒体記者さんには個別で早めにアプローチ

 

■アウトバウンド(発信)

・恐れずにブログなどを書き続けること。社内に書く文化を創ること

・Wantedlyのブログに社内インタビューを掲載すると、それをタイムラインにシェアした際、あたかも取材記事のように見える。おススメ。

・会社の方向性に沿っていれば、インタビューを受けるメンバーは何を言ってもよいというスタンスを貫く

・エンジニアブログは、はてぶ数をKPIにしている

・とにかく数を打つこと。上司から何か言われたら2回目間違わなければいい

・とにかく地道にやり続けれなければ結果はでない。逆にやり続ければ結果は出てくるもの

・ブログで1000PVくらい出せると、検索ワードによってはグーグル1P目にあがってくる。ゆえに特徴的なキーワードをタイトルに持ってくる工夫もあり。そうすると、バイネームでそれについての第一人者のようになる可能性

 

 

トークテーマ:「採用手法」

リファラル採用のメリット

・採用した人が辞めないこと。入社前にじっくり価値観をすり合わせているから。

・実は手間はものすごくかかっている。何回もごはん行ったり、何回もオファーだして、役員にも何回も会ってもらって。ただそうして入社するとコミットメントが高い傾向がでている

 

■全員採用

・企業にとって採用は超大事。そこを全社に浸透させられるか?

・社内の人間が採用にまえのめりであること。そのための仕組みをつくる。

⇒横断チームを作って、その中に役員も入れて、各グループに人事からハッパをかけて、ゲーミフィケーション要素を入れて全員採用に取り組んでいる

・前提、「知り合いに紹介したい会社」であること

・そして、トップが人が足りない・採用が大事と言い続けること

・全社にクォーター毎の採用計画/実績を共有

 

■効率化

・書類選考は基本的に役員が行う 

⇒最初のハードルを高くして面接数を抑える

 

 

その②(後半)は、後日アップします。

メンバーの化けさせ方

バズ常務近田に、絶対に読むべきと言われた「エンゼルバンク」。ちょっと遅くなってしまったがコツコツ読んで読了した。

エンゼルバンク ドラゴン桜外伝(1) (モーニング KC) | 三田 紀房 | 本 | Amazon.co.jp

 

あるキャリアエージェントを舞台にしたマンガだが、
このマンガの中で一番刺さったページを紹介するとここ。

主人公の会社(従業員1000人程度?のキャリアエージェント会社)の人事部長・前田の言葉。

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10年後に会社を変えちゃう社員って1~2年目はパっとしないもんでね。どうしてだと思う? 人ってね、化けるんだよ。みにくいアヒルの子が白鳥になったように、人って大化けすることがあるんだよ。誰が化けるかなんて初めはわからない。だから、採った社員をどう化けさせるか、それが人事部の本当の仕事。ではどうやって社員を化けさせるのか? 何も難しいことはない、すごく簡単、基本的なこと。失敗させればいいだけのこと。有能な人は思いっきり失敗すれば自分の至らなさに気がつく。自分で気がつけば本気になる。本気になれば人は変われる。人は化けられる。部下に必死にアドバイスしても部下は変わらない。千回のアドバイスより一回の失敗だよ。一生化けられない奴は失敗を自分の失敗だと受け取らない。失敗を認めず責任逃れをする。こういうタイプは絶対に本気にならない。最後までダメ社員で終わる。そういう奴は重要な部署には行かせず出世もさせない。いい上司っていうのは緊張感を与えて『これをやれ』とだけ命じられる人だよ。部下の失敗を覚悟してる。部下を一度谷底に突き落とすのが僕が考える理想の上司なんだ。ここで人事部の出番。人事部の仕事は失敗してもいい雰囲気を社内に作ること。谷底から這い上がってきたら崖の上に花畑を用意してあげること。うちの会社では今いる部署で大きな失敗をした後に希望の部署に異動させたりしている。 
≪一部編集しました≫

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私の周りを見ていても、大きな失敗をしてから、本当に意味で危機感を持って自分で考え行動し、それこそ人が変わったように活躍する人が多い。

 

どれだけ大きな失敗に耐えられるかの本人の許容量、そこから這い上がる力(逆境力)、そしてそれを見越して今の本人よりも少し背伸びした仕事を与える上司。

そして、それらを踏まえた人材採用と育成の仕組みを創るのが人事の仕事。

 

大きな失敗を経験するために、そもそも失敗することを恐れている環境ではその一歩も踏み出せない。それは「失敗してもいい」と言葉で言っているだけではダメで、失敗してもそれがポジティブなチャレンジの結果ならセカンドチャンスを提供していることをもっともっと発信してカルチャーにしていかなくては。

 

「恐れずにいこう!」ではなく、「恐れずにやることが当たり前!」の組織へ。