ベンチャーHR

とあるベンチャー人事責任者のブログ

失敗したときが学びの意欲が一番高くなるタイミング

人に教えたり、研修したりをすることが多いのですが、自ら学びを取りに来てくれるとすごく伸びるなと思いますし、逆も然りです。つまり、「教えてもらっている」状態ではなかなか進歩しない。したがって、本人の「学びたい意欲」があるときに教えることこそが、育成の最大のポイントかもしれません。

どのようなタイミングで学びたい意欲は高まるのか?それは、私自身の経験からも、失敗した直後だと思っています。

 【失敗する→原因を考える/または指摘をもらう→自責する→学びたくなる】

そもそも学ぶ意欲が高い人の共通項は、他責するのではなく自責できることです。環境や他人のせいにしていたら、自分自身が学ばなきゃとは思わないですね。ここで躓いているのなら、他責している限り成長はないということをしっかりと向き合って伝え続ける必要があります。

もう一つのポイントは、本人の学びたい意欲を上司が消してしまっていることがないかということです。せっかく学びたくなっている時に、上司が失敗を掘り返すようなことをしたらどうでしょう?

「今回は自分の失敗でした。だから改善するために学びます」と言っているメンバーに

「あれは本当に最悪だった。どうして教えた通りにやらなかったの?」なんて言ってしまったらどうでしょう?

「OK!しっかり考えたみたいだから、もう一回イチから教えるね」でどちらも前向きになれます。

 このような上司のコミュニケーションの積み重ねが、良くも悪くも大きな差になってしまいます。今も昔も、私は本当に良い上司に恵まれたなぁとつくづく感謝しています。

 

 

 

おせっかいMTG

この春からバズのトレーナー・トレーニー制度を「おせっかい制度」として、トレーナーの役割を『おせっかいする人』と定めています。育成責任はマネージャー、トレーナーはあくまでおせっかいする人として、教えるスキル・聴くスキルを向上させていこうという趣旨です。※トレーナーは入社2年目~3年目の先輩社員が多い

週一でこのトレーナーのおせっかいスキル向上を目的とした「おせっかいMTG」を実施しているのですが、本日のMTGでの成功事例共有においてとても良い気づきがありました。

 

「納期を守ることに対して、そのやり方だけでなく、なぜ遅れたらいけないのかの理由を説明した」

⇒やり方と考え方をセットで教える

やり方だけ教えるのではなく、そもそもなぜそうするのかの背景や考え方をセットを理解できると、納得感が持てますし、やり方の応用がきくようにもなります。基本ですが、日々の中で忘れがちになることです。

 

「全てを自分で教えるのではなく、各分野の専門知識のある人に聞きにいってもらっている」

⇒誰が何を知っているのかを教える

自分一人の知識を広めたり深めたりすることはもちろん重要ですが、それに加え「組織の中で誰が何を知っているかを把握すること」(Who knows what)ができているとより組織パフォーマンスが向上します。なんでも自分で教えようとせずに、各分野の専門家に話を聞きにいってもらうことで、そういった副次効果が期待できます。

 

「一人でアポに行かせてから、アポの準備の質がぐっと上がった」

⇒失敗も織り込んだチャレンジ環境を提供する

失敗経験を通して、学びたくなる環境を作ること。失敗すれば次はどうしたら成功できるかを考えます。失敗経験は、自ら学びたいという欲求を引き出してくれます。

 

成功事例を共有し言語化すると、いろいろな気付きを得ることができます。それを当たり前のことと思うか、当たり前のことにこそ真理が詰まっていると思うかで、スキルの伸び具合が変わります。組織としてのおせっかいスキル、もっと上げていきましょう!

面接力

本日参加した採用人事の勉強会セミナーで、ベンチャー企業に内定承諾した東大・京大・名古屋大の学生3名によるセッションがありました。ベンチャー企業の人事担当者約60人の前にでてきた3人だけあって、自分自身の感じた「就活」について堂々とかつ非常にロジカルに語ってくれて、とても勉強になりました。

その中で印象に残ったのが、サマーインターンの選考面接にて、面接官から自分自身を深掘りされて、結果は落ちたけどその企業への意向度がとても上がったという話でした。1時間1対1で面接してくれて、その質問力で自分自身の気づいていない部分に気づけた。その面接自体にとても感銘を受けた。そんなふうに向き合ってくれる人がいる企業に行きたいと思ったという話でした。
つまり、面接で企業価値を上げたということです。しかも落ちた面接で。

 

実は最近、私は採用面接において事前に用意した質問をするのをやめました。
なぜかというと、事前に用意した質問の場合、こう答えてほしいなという期待が自分の中にあって、それにもとづいて評価判断していることに気づいたからです。
そのやり方で採用面接に来て頂いている方と本当に向き合えていると言えるのか?
それよりも、その人のことをただ純粋に知りたいと思うこと。シンプルにその人の話や表情に反応して、会話自体に意識を没頭させていくことで、よっぽどその人の本質的な価値観や人柄に触れられるということに気づきました。

そして、そういう面接をする副産物として、本人も自分で気づいていない部分への質問=ジョハリの窓でいうところの「未知の窓」(誰からも知られていない自己)への質問ができれば、来ていただいた方に対しても何かしらの気づきを持ち帰ってもらえる面接ができるのではと思っています。

質問力、傾聴力を磨き、もっともっと良い面接をすることで人事として企業価値をあげていきたいと思います。

「目的」に立ち戻る癖づけ

うまくいっている組織を観察していると、都度都度「目的は何なのか?」に立ち戻っているなと感じます。

良い計画を立てたならあとは実行するだけといいますが、実行すれば必ずと言っていいくらい問題は出てくるもの。ここで問題を解決するための対策をしていきますが、その対策のみに意識をフォーカスさせていくと、『手段の目的化』が起こりがちです。

 

広報を例にすると、「目的」は何らかの数字(問い合わせ数/採用応募数など)を上げることにあったとします。しかし、常に目的を意識していなければ、メディアに掲載されることという本来「手段」であるべきことが目的となってしまい、何でもかんでもメディアに掲載されれば良いという、手段の目的化が起こる可能性があります。(あくまで例え話です)

計画を始めるとき、計画進捗を振り返るとき、改善アクションをするとき、まずは実現したいことは何なのか(目的)に立ち戻った上で、そのために最も効果のあることは何なのか(手段)に落としていくこと。ここをしっかり持たなければ、実現しやすい手段に安易に流れ、結局目的を達成できないということが起こりえます。

※さらに言うと、「何のためにやるか?」「なぜやるか?」という目的の背景にも都度立ち戻れると、自分自身・チーム共々納得感をもって仕事に取り組めます。

 

特にチームで仕事を進める際はPDCAを回していく過程において、都度「目的」に立ち戻ることをはじめはくどいくらいやって良いと思います。

 

 

バズのジギョつく

サイバーエージェントグループではお馴染みの「ジギョつく」(新規事業プランコンテスト)ですが、我々バズの10年の歴史の中ではじめてバズのジギョつくを開催しています。

今回、1年目・2年目社員を中心に連日しつこすぎるリマインドをかけていますが、絶対に出してほしいんです。

なぜなら、

与えられる側ではなく、創る側の楽しみ・熱中・妄想・苦しみ・痛みを体験してほしいから。

創るというのは言葉で言うほど簡単ではありません。むしろ、いざやるとなると、意外とその一歩を踏み出すのが億劫です。しかし、その一歩が踏み出せるか否かだけなのかなと思います、キャリアを面白くするためには。

社会人生活初期で与えられる側だけに慣れきってしまう前に、創る側を経験できるチャンスは忙しくても獲って欲しい。

個人的には、100%完璧な案ではなく、荒削りな案でも良いと思っています。なにせバズ史上初のジギョつくです。バズの未来、こんなことやりたいなということ。たくさんの応募を待っています!

 

 

バズカレッジ

外部ゲストを招いての全社講演「バズカレッジ」を、Qに1度のペースでやっています。

ここ最近のバズカレッジを振り返り、私自身に与えた影響について書きます。

 

ホンモノの凄さを間近で感じれる

パリで画家がたくさん育つのは、パリには名画が当たり前のようにたくさんあり、それが目指す高みとして自分ごと化されるからだそうです。そういう意味で、社外の「凄い人」のお話を直接聞ける機会、しかもセミナー会場ではなく、日常と比較しやすい社内オフィスでというのは非常に貴重だと思います。

私自身もこのバズカレッジでの体験で、「凄い」というものがより明確になり、その基準が自分ごと化しているのを感じています。何かで突き抜けている方の信念の強さ、謙虚なオーラ、自分のコトバを持っていることなど、直接お会いしたからこそ感じることが多いです。

 

インパクト」がある

社外の凄い人の話なら本でも読めます。ただ、本よりも直接お話を聞くほうが、「インパクト」があります。

現状維持バイアスを打ち破るには、「インパクト×回数」。登山家の栗城さんの講演など、内容自体はすでに事前に本で読んでいたことでしたが、自分自身が受けたインパクトやその後自分自身に起こった変化は全く次元の違うものでした。

 

 

ここ最近のバズカレッジで個人的に学んだことレビュー

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プロフェッショナル・コネクターのカッチャマンこと、勝屋久さん

・褒められたら「ありがとうございます!」と、褒めてくれた相手のために受け止めよう

・人を値踏みすると、自分も値踏みされるよ

 

 

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登山家の栗城史多さん

・夢を応援しあうこと。絶対に否定しないこと。

・夢や目標を言葉にすること。

→これ、こうやって言葉だけで書いても伝わらないのが悔しい!

 

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MicroAd 渡辺社長

・会社はオーシャンズ11のようなもの。みんなの特技を駆使して銀行強盗するような感じ。

・情報はメディアから取るのではなく、現地にいって自分で取るもの。

 

毎回たくさん学ぶことがあるのですが、自分にとって何か持ち帰れるものが一つあればいいと思います。それがどんなことでも!

 

自分ヒトトリエ

今週から「自分ヒトトリエ」という長文自分史による自己紹介を始めました。

もともと社内報で「ヒトトリエ」という社内メンバーの生い立ちをがっつりインタビュー+書き起こしで紹介するコーナーがあるのですが、こちらは完全セルフバージョン。自分史を書いて、社内メンバー限定のfacebookページに投稿してもらいます。

目的は、ある程度の文章量を通じて、自分のバックグラウンドや大切に思っている考え方を知ってもらうこと。普段の会話だけだと分かりにくい、そのひととなりを理解してもらうことです。

 

※本人の了承を得て、一部公開

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バズも人数が毎年増え、かつ4月からは事業部制を導入していることもあり、今はまだ大丈夫ですが、これからは「あの人と話したことない」なんてことが起こると思っています。そんな少し先の未来も見据えて、まずは4月入社新卒に実践してもらいました。

実際の正直な感想ですが、読後かなり親近感を持ちました。読了するのに5分位かかる大作?でしたが、幼少期から直近までの様々なフェーズにおいて、どんな環境で、どんなことに熱中し、どんなことを考えていたかを知ることで、こんなにもその人を身近に感じるのだなと。あと、最後に「当面の目標」が宣言してあったのも個人的には嬉しかったです。

新卒が一通り終わったら、次は中途新入社員もやってほしいなと考えています!