仕組みをつくる
仕組みをつくるとはどういうことだろう。
そもそも仕組化とマニュアル化は違う。
マニュアル化はそれを見れば誰にでもできるように作業を説明書レベルまで落とし込むこと。
仕組化は、成功への最短距離のために活用されるフレームづくり。先人が多くの月日を費やして体系立てた学問・論理。先輩が失敗を繰り返して作り上げた成功パターン。そういう無形物が可視化され、共有され、活用されたときに仕組みとなる。
私は大企業で働いたことがないから分からないが、もしかしたらトラディショナルな大企業にはそういう「仕組み」がたくさんあるのかもしれない。こうすればうまくいくという経験則という仕組みが。
一方、ベンチャーでは仕組みを自分たちでつくれるかが非常に重要だ。
会社の大小問わず、自分でPDCAを回してすごい結果を出す営業やプロデューサーやエンジニアや人事は比較的たくさんいる。しかしそこから成功パターンを客観的に取り出して、つまり感覚ではなく数字や行動分析に基いて、エッセンスを自分自身で抽出できる人は少ない。当然、それはマネジメントの領域で、生産性の高いメンバー、グループ、事業部の「なぜ上手くいっている」を分析・抽出し、汎用性のあるフレームにして、組織に定着させていかなければいけない。あらゆる階層でそれが行われていくことで成功へのスピードが増していく。
化粧品メーカーに提案する方法、新卒社員の育成方法、サービスをゼロから立ち上げる方法、事業をグロースさせる方法。全てゼロから考えるよりも、過去積み上げたフレームを活用すれば、同じところで躓かない。そしてそこからさらに自分の頭で考えていけば、大抵過去よりも良いフレームに改善できる。そのフレームが可視化され、共有され、活用されれば仕組みとなる。
しかし、何よりも大事なのは、「仕組みをつくりたくなる気持ち」と「仕組みを使いたくなる気持ち」。ここがなければ人は動かない。人は感情で動く。仕組みをつくっていくことが賞賛され、仕組みを活用したことで成果や成長実感が得られる。この感情設計なしではおそらく絵に書いた餅に終わる。このあたりの意欲や理解をマネジメント陣が高いレベルで揃えることで、組織としての成長も加速するはず。
まとめると、
・上手くいっていることの要素を客観的事実で取り出す
・可視化、フレーム化
・共有する仕組み
・活用されることで改善する
このサイクルが回るようにすること。
・仕組みをつくりたくなる気持ち
・仕組みを使いたくなる気持ち
この感情設計。
頭で分かりかけていることを、スピード実行を繰り返して実現させていきたい。