ベンチャーHR

サイバー・バズの人事部長小河原英貴のブログ

まず「型」を教える

新入社員の育成に関してですが、私ははじめに「型」を教えるのが最も効果的だと思っています。
 
私自身を振り返ってみても、営業トークやリアクション、切り返し、Yes,but話法などはそれを発するタイミングや強弱も含めて、徹底的に型を先輩から教え込まれました。こういうときはこうする、みたいな。
当然初めはよく意味も分からず(むしろ意味など考えず)、しかしながら細かいところを毎日のようにロープレでダメ出しされ修正されました。
 
日々のロープレと、実際の現場での先輩トークを横で必死に覚えながら、やがて一つのトークができるようになり、自分一人で営業するようになりました。 その一つのトークの流れは、ラポールの取り方・差別化の仕方・想定ネック潰し方・ネガティブな質問をすることで相手の本気度を確認する仕方・クロージングのやり方など、ある程度できていますので、標準的なニーズの顧客には十分対応可能でした。
ただ、想定を超えるネックを抱える顧客やニーズ自体がずれている顧客はたくさんいます。むしろその方が多かった。
 
ここで「失敗」を経験しました。先輩なら成約につながる顧客が自分ではうまくいかない。
どうすればちょっとイレギュラーな顧客でも対応できるようになるだろう?どうすれば先輩のようにうまくできるだろう?
結構考えました。
 
直前の営業を振り返り何が悪かったか考えていくと、一つのトークで身に付けたもののそれぞれが意味を帯びてきました。
「あー、だからこのタイミングでこれを質問するのね」
「ここであえて沈黙するのはそういう意味だったのね」
「じゃあ、この場合はここでこれを追加して言ってみるか」
 
型として教わったものの意味がやっと頭で理解できました。
そして、自分のトークの流れの意味や目的を同僚に説明することができるようになりました。説明することでさらに理解が深まりました。
そして、いわゆる「応用」が出来はじめました。
 
 
野球でも水泳でも剣道でも、正しいフォームや姿勢があります。子供はその意味など分かりませんが、コーチに言われたことを素直にやるとメキメキ上達します。
そして、その基本の一つが体に刷り込まれることによって、次のステップにおいて自分で気づける・考えることができてくるのだと思います。
 
で、言いたいこととしては、その順序の方が成長スピードが早いということです。
はじめから「自分で考えろ」は、足し算知らない小学1年生に「問題解いて」と言っているようなものです。まずは【1+1=2】と、やり方と答えを教えてあげるべき。
 
 
立川談春のエッセイ「赤めだか」の好きな一節です。
修行時代の談春が談志師匠から言われた言葉。
型ができてない者が芝居をすると型なしになる。メチャクチャだ。型がしっかりした奴がオリジナリティを押し出せば型破りになれる。どうだ、わかるか?難しすぎるか。結論を云えば型をつくるには稽古しかないんだ。
よく芸は盗むものだと云うがあれは嘘だ。盗むほうにもキャリアが必要なんだ。最初は俺が教えた通り覚えればいい。盗めるようになりゃ一人前だ。時間がかかるんだ。教える方に論理がないからそういういいかげんなことを云うんだ。
 
先輩は、自分が最も自信のある「型」を新入社員に丁寧に粘り強く教えてあげましょう。はじめは意味なんか理解されなくてもいいんです。少々理不尽でも、教えた通りに覚えてもらいましょう。
広告を非表示にする